★NOF TOMONARIのスモールイズビューティフル

「小さな未来」

 大は小をかねるとか言いますよね。大きいに良いことも多々あると思います。私個人も大きなトラクターに乗ってたくさんの野菜を作ることを何年か前までは考えてました。けれど、私がたどり着いた、ここ能勢や亀岡は山が近く農地は小さく大型化するには中途半端な場所だなと農業を開始して感じるようになりました。 もし、本当に大規模農業がしたいなら、外国で生産を開始したほうが良いと思います。

 しかし、そんな日本を離れてやる度胸もなく、今この場所にいるということは、この場所で生き抜いていくことを無意識の中で決めていたのだと思います現在では、この場所でどうしたらおもしろいことができるのか模索し、農業で里山を活性化できたらなと考えています。小さな目標を決め、小さなチームで小回りのきく行動で小さな未来を切り開いていきたいと思っています。

「効率より効果で」

 農業は非効率がとっても多く感じます。有機農業はその典型だと思います。超非効率農業だと思います。

 しかし、効率よりも効果の面でみると、有機農業は持続可能性や環境への負荷、そして味、栄養など目に見えない効果が多々あると感じています。そもそも効率な経営を考えれば、露地の土で野菜を作るよりも設計された施設の水耕で作るほうが理論的に優れていると思います。

軟弱で例を見ると、前者だと年2作ほどですが、後者だと年20作も可能です。同じ面積で回転率を上げてたくさん作ることが可能となっています。

 けれど、NOF TOMONARIでは土から離れれません。土からできた野菜を食べたいと体が感じているのです。もし、地球でなくて土がない星でやるなら人工的な方法を選ぶと思いますが、地球に住んでる間は、地球に種をまいて野菜を作ろうと思います。そして、元気な野菜で人が良くなればなと密かに思っています。

 

「NOF TOMONARIの野菜づくり」

 NOF TOMONARIでは消費者や流通業者、その他のステークホルダーが求めているニーズに合わせた下請け的な野菜づくりをこの6年は行ってきました。今後も必要に応じて下請けとして業務は継続しますが、これからの20年はNOF TOMONARIがやりたい野菜の加工、京都のお土産商品開発を進めていきます!

 

これまでの野菜セグメント

1)地場野菜

 葉っぱもんなどを常時、4,5品目育て安定して出荷できるよう取り組んでいます。都市近郊を活かし鮮度を保ったまま消費者の元にお届けできるのが地場野菜の特徴です。 フードマイルの点で考えると地場のモノは優れています。一度に多量に作らず種まき回数を増やし年間を通して取り組んでいきます。

2)ブランド野菜(伝統野菜+種とり野菜)

 伝統ある京都のイメージを活かして、品質の高い京野菜作りに取り組んでいます。

主に九条ねぎ、京人参。また、大阪の圃場では大阪伝統野菜(天王寺かぶら、田辺大根)や、自家採種による新たに育成したオリジナル野菜をブランド野菜として取り組んでいきます。

3)レストラン向け野菜

 レストランが使いたい野菜は、まだまだ国産が不足しているように感じます。

料理人の必要とするものなど現実的に継続可能な範囲で対応していきます。

4)有機JAS野菜(オーガニック野菜)

 ヨーロッパでは普及しているオーガニックやビオ認証。日本では有機野菜となっていますが、まだまだ認知も薄く普及していません。けれど、世界的な目で見ると有機JASマークは、今後流通のスタンダートになる可能性があります。

 すでに、加工流通の企業が有機JASを取得し商品化を進めています。この企業に対応した農家が増えてくるといつのまにか標準になるかもしれません。

5)加工野菜

 これは、今後の課題分野ですが書いておこうと思います。10年、20年後はどうなってるかわかりませんが、予測として中食、外食への依存が増える傾向になると言われています。カット野菜などがいい例ですが、消費者のニーズは手間がかからず、野菜をうまくとりたいと思うようになっていくのでしょう。そんな方たちでも野菜がとれるよう取り組みたいと考えています。NOFでヒット商品を産み出し、それに必要な野菜を作ろうと考えています。実は生鮮よりも作った野菜を加工して商品化したいのがNOF TOMONARIのやりたいことに近いです。

 

 

「草・虫・菌」

 私が、農業で暮らしていこうする以前に、赤峰さんという方のの「循環農法」という本に出会いました。全てが納得しませんでしたが、とても影響を受けました。今でも、草、虫、菌の必要性、重要性、ありがたさを感じています。ただ、時として、この3つは農夫の敵にもなります。草がぼうぼうと生えると、育てたい野菜がうまく育たず色が黄色くなってしまったり、テントウムシダマシがナスビの実をかじってしまい、売り物にならないとか、トマトが青枯れ菌にやられ全滅したとか。もう、ほんと嫌なやつらです。

 しかし、どうでしょうか。上手に付き合えば、これら3つは農夫の味方にもなります。

草はマルチにもなり、土壌動物や植物の根に日陰を与えます。さらに、その生物性が土壌表面を肥沃にし、腐食を形成し結果として植物に+になります。

 そして、虫は植物をいくらか食べますが、全滅するまで本来食べません。全滅するようであれば、おそらく物理性の悪さか、施肥のミスがほとんどです。ほぼ、人間のやったことが要因だと思います。菌においても、悪いやつもいれば良いやつもいます。

ほとんどの菌が日和見菌だと言われていて、どっちの味方につくのか不安定な状態です。そこで、農夫としては良いやつを呼び込む流れを作ってやれば、たちまち植物は良い生育に変わります。

 NOF TOMONARIでは、自然の力をうまく利用して、なるたけ持続可能な農業を心がけようと思っています。

「自給自足」

 NOF TOMONARIは商売として野菜を生産しています。けれどその反面、自給自足を薦めています。なぜ?自給を薦めるのか?と疑問ですよね。NOF TOMONARIの根本的な発想として『本来、生きていくために食べ物は自分でなんとかする』ことだと考えています。つまり自給自足を行うことが、人間の生きていくうえでの基本と考えています。グローバルな時代に自給とは時代錯誤と思われるかもしれませんが、『生きることは食べること』大切なことを忘れないで欲しいんです。

 そこでNOF TOMONARIでは、多忙となり自給できなくなったみなさんに代わって、農産物を生産しお届けするとともに、野菜作りや食べることに興味を持って自分でやってみたいと思った人に、情報や技術を提供していきたいと思います。

「農薬」

 私事ですが、もともと農薬のにおいに敏感でした。ホームセンターの農薬コーナーでさえ頭が痛くなる始末でした。それなのに学生時分、花業界でもうけてやろうと企んでいた私は、花農家さんの研修で農薬散布の現実を目の当たりにし、耐えるのに必死でした。綺麗な花を作りたいし届けたい。人にプレゼントする機会の多いモノだけに見栄えの美しさは必然で、それを実現させるために花農家さんは色々工夫されていました。誰しも、お金をかけて時間もかけて、好きで薬をまきません。求められるものを作るのに、なんとか必死こいて農家さんは薬を散布しています。それが、求められているモノを作るためにできることだからです。残留農薬とか、色々食の安全とか言われている時代です。生産物に対しては農薬検査や書類の提出など安心してもらうための努力がなされています。私の場合は、先ほども言ったように、もともと農薬に弱い体質のため、農薬を使わないでできないものかと考えるようになりました。結果、花業界はあきらめました。それから月日が経ち、野菜に転向した私。農薬を使わずして、野菜を作っています。

 ただ、綺麗にできる場合もあれば、虫にやられ、病気にやられ、せっかくできた野菜を無残にも捨てたこともあります。

 ただ、最近思うのは、無農薬でも綺麗な野菜が数多く求められていて厳しい出荷基準にどうするべきか暗中模索です。逆に、虫食いがあっても無農薬が食べたいというお客さんもいらっしゃいますが。そしてさらには、農薬を使ってもらってもいいから虫は嫌という方もいます。とにかく、みなさん考え方はさまざまです。

 そこで考えた結果、NOF TOMONARIでは継続可能な範囲でお客さん(個人様、出荷先の要望、規格、基準)の要望、求められる基準に見合うものを作っていこうと思っています。

「育人」

 農業に携わってすでに7年が過ぎ去りました。とてつもない成果は出せてはいませんが、色々気が付いたこともあります。

 その一つが、農業に携わる人を育てていくことです。人生で生産に関われる期間というのは本当に短く次の世代に伝えられることは伝えておきたいと思うようになりました。

 育種、育土とともに育人もまた、成長するのに時間を要します。今からスタートさせたいと思います。